ペルチェコントローラ PLC-24V6A 【FAQ】
よくあるご質問と回答をまとめてあります。
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ご購入の前に
Q.01 PtセンサーとNTCサーミスタのどちらがよいですか?
Q.02 Pt100とPt1000ではどちらがよいですか?
Q.03 NTCサーミスタはどのようなものを選べばよいですか?
Q.04 PTCサーミスタ(正の温度係数のサーミスタ)は使用できますか?
Q.05 熱電対は使用できますか?
Q.06 最大電流 8Aのペルチェ素子は使えますか?
Q.07 最大電圧 5Vのペルチェ素子は使えますか?
Q.08 温度制御対象を加熱する場合でも冷却ファンは必要ですか?
Q.09 冷却ファンはどのようなものが必要ですか?
製品仕様について
Q.01 「PWM電圧駆動」とは何ですか?
Q.02 「デジタルPI制御」とは何ですか?
Q.03 温度制御の精度はどのくらいですか?
設置・接続について
Q.01 NTCサーミスタの接続方法がわかりません
Q.02 2導線式のPtセンサーの接続方法がわかりません
Q.03 3導線式のPtセンサーの接続方法がわかりません
Q.04 ペルチェ素子の極性がわかりません
Q.05 PCと接続したいのですが、PCにシリアル(RS-232)ポートがありません
Q.06 電源接続ケーブルは供給できますか?
Q.07 DCファン接続ケーブルは供給できますか?
操作について
Q.01 本体の外部制御端子はロジック信号でコントロールできますか?
ソフトウェアについて
Q.01 専用ソフトウェアを使用するとどのようなことができますか?
Q.02 専用ソフトウェアはどうすれば入手できますか?
Q.03 1台のPCで複数のペルチェコントローラを制御できますか?
Q.04 自分でソフトウェアを作ることができますか?
トラブルシューティング
Q.01 アラーム表示が点滅していますが、原因がわかりません
Q.02 表示器のキー操作ができません
Q.03 温度が安定しません
Q.04 温度表示がおかしい
サポート・サービスについて
Q.01 ファームウェアのアップデートはできますか?
Q.02 修理の依頼はどのようにしますか?
Q.03 出張修理はできますか?
Q.04 修理は有償ですか?
Q.05 装置に組み込まれた状態のまま修理依頼できますか?
ご購入の前に(回答)
Q.01 PtセンサーとNTCサーミスタのどちらがよいですか?
使い方によりメリット/デメリットがあります。温度センサー比較表を参照してください。
画像をクリックすると拡大写真が見れます
Q.02 Pt100とPt1000ではどちらがよいですか?
Pt100は入手が容易ですが、抵抗値が0℃で100Ωと低いため、配線の抵抗値の影響を受けやすい欠点があります。
ただし、3導線式センサーを使用すれば影響が軽減できます。Pt1000は選択肢が限られ、やや高価なものが多いようです。
Q.03 NTCサーミスタはどのようなものを選べばよいですか?
R25(25℃のゼロ負荷抵抗値)が1kΩから10kΩのものを推奨します。
R25が100Ω以下の低抵抗タイプや100kΩ以上の高抵抗タイプは対応できません。
また、R25、B定数の許容差が大きいと温度制御の精度が悪くなります。
精度が必要な場合は、許容差±1%以下のものをお奨めします。
Q.04 PTCサーミスタ(正の温度係数のサーミスタ)は使用できますか?
PTCサーミスタには対応しておりません。
Q.05 熱電対は使用できますか?
熱電対には対応しておりません。
Q.06 最大電流 8Aのペルチェ素子は使えますか?
使用可能ですが、本製品の最大駆動電流が 6Aなので、フルに能力を発揮することはできません。
大電流タイプのペルチェ素子は内部抵抗が低いので、電源電圧にご注意ください。
例:内部抵抗 1.5[Ω]の場合
1.5Ω× 6A = 9V ・・・ 電源電圧 9V以下で使用してください。
* これは常に一定温度に制御する場合です。
冷却/加熱を繰り返す場合は、さらに電源電圧を(70%~80%程度)下げて
使用してください。
* 内部抵抗が1.2Ω以下のペルチェ素子は、電源電圧を7V以下にする必要が
あるため、使用できません。
Q.07 最大電圧 5Vのペルチェ素子は使えますか?
単体では使用できません。
本製品のペルチェ駆動電圧は、電源電圧と等しくなります。
電源電圧範囲が7V~15Vなので、最大電圧5Vのペルチェ素子はそのままでは使用できません。
ただし、同じペルチェ素子を2個直列に接続すれば、電源電圧10Vで使用することができます。
* ペルチェ素子は複数重ねて使用することで、冷却(または加熱)能力を高めることが
できます。
Q.08 温度制御対象を加熱する場合でも冷却ファンは必要ですか?
ペルチェ素子は電流を流すと一方が吸熱し、他方が発熱して温度差が発生します。
このとき素子を冷却する手段が無いと、ペルチェ素子に流れる電流による発熱(ジュール熱)により素子全体の温度が上昇し、破壊してしまう可能性があります。
よって、制御対象物を冷却するか、加熱するかに関わらず、制御面の反対側にヒートシンクを取り付け、冷却ファンなどを使用して放熱する必要があります。
Q.09 冷却ファンはどのようなものが必要ですか?
吸熱分およびペルチェ素子自身の発熱分を放熱する十分な風量の冷却ファンが必要です。
必要な風量はヒートシンク形状、環境条件、使用条件により異なります。
PCパーツとして一般に販売されているDCファン(ケースファン)が使用できます。
パルスセンサー付きファン(3線式)を使用した場合は、ファン停止アラーム機能を利用することもできます。
PC用のDCファンの電源電圧は5Vまたは12Vが一般的ですが、本製品の電源電圧によって、DCファン用出力の仕様が指定できます。
本製品の電源電圧DCファン出力仕様DCファン電源電圧
7V~11V5V固定(オプション)5V
11V~13V電源直結(標準仕様)12V
13V~15V12V固定(オプション)12V
* 本製品の電源電圧より高い電圧をDCファン用出力端子に出力することはできません。
なお、DCファン用出力端子の最大電流は0.5[A]です。DCファンによっては起動時に定格電流の2倍~3倍の電流が流れる場合がありますのでご注意ください。
製品仕様について(回答)
Q.01 「PWM電圧駆動」とは何ですか?
PWMはPulse Width Modulationの略です。
ペルチェ素子にパルス波形を印加し、そのパルス幅を変えてペルチェ素子の温度を制御します。
パルス波の電圧は、電源電圧とほぼ等しくなります。
Q.02 「デジタルPI制御」とは何ですか?
PI制御とは、比例(Proportional)制御と積分(Integral)制御を組み合わせた制御方式です。
制御量は次の式で求められます。
(制御量)= Kp ×(温度偏差値)+ Ki ×(温度偏差累積値)
(温度偏差)= (現在温度)-(目標温度)
Kp: 比例係数、Ki: 積分係数
本製品では、温度センサー出力をA/D(アナログ-デジタル)変換して、マイコンでデジタル制御を行っています。
係数Kp、Kiは専用の設定ツール(ソフトウェア)を使用してPCから変更することができます。
Q.03 温度制御の精度はどのくらいですか?
本製品は、0.1℃単位で目標温度が設定できます。
また、温度表示も0.1℃単位の分解能で表示されます。
実際の温度制御の精度は、使用する温度センサーの抵抗値および温度係数のばらつき(配線による抵抗値を含む)の影響を受けます。
本製品出荷時には、基準抵抗を使用して調整を行っています。
例えば、Pt100仕様の場合、100Ω(0℃相当)と128.9Ω(75℃相当)の高精度抵抗を使用して調整を行います。
設置・接続について(回答)
Q.01 NTCサーミスタの接続方法がわかりません
センサー端子の一方を1pin(Th+)に、他方を2pin(Th-)に接続してください。
極性は特にありません。
また3pinには何も接続しないでください。
Q.02 2導線式のPtセンサーの接続方法がわかりません
2導線式Ptセンサーには、A,Bの2つの端子があります。
Aを1pin(A)、Bを2pin(B1)に接続してください。
さらに2pin(B1)と3pin(B2)を導線でショートしてください。
センサーを自作した場合や表示が無い場合は、以下の図を参考にして接続してください。
Q.03 3導線式のPtセンサーの接続方法がわかりません
3導線式Ptセンサーには、A,B,B'の3つの端子があります。
Aを1pin(A)、Bを2pin(B1)、B'を3pin(B2)に接続してください。
BとB'は同じです。Bの表示が2つの場合もあります。どちらを2pin(B1)、3pin(B2)に接続してもかまいません。
センサーを自作した場合や表示が無い場合は、以下の図を参考にして接続してください。
Q.04 ペルチェ素子の極性がわかりません
一般的に赤色の線を4pin(PL+)、黒色の線を5pin(PL-)に接続してください。
* ペルチェ素子によっては線材の色が異なる場合があります。
ペルチェ素子の仕様を確認してください。4pin(PL+)から5pin(PL-)に電流が
流れたときに、ペルチェ素子の温度制御面が冷却されるように接続します。
極性が不明な場合は、ペルチェ素子に3V程度のDC電圧を印加して、どちらの面が
冷えるか確認してください。
Q.05 PCと接続したいのですが、PCにシリアル(RS-232)ポートがありません
次のような方法が考えられます。
・市販のシリアル(RS-232)拡張ボードを使用する
・USB-シリアル(RS-232)変換アダプタを使用する
* 当社では拡張ボードや変換アダプタの動作は保証いたしかねます。
Q.06 電源接続ケーブルは供給できますか?
電源接続用のケーブルはお客様自身でご用意ください。
適合コネクタは、日本圧着端子製 VHR-2N(および相当品)です。
大電流(最大6A)が流れますので、電線の許容電流値に注意してください。
Q.07 DCファン接続ケーブルは供給できますか?
電源接続用のケーブルはお客様自身でご用意ください。
適合コネクタは、Molex 製 5051-03(および相当品)です。
PCパーツとして市販されているケース用DCファンの3ピンコネクタが使用できます。
操作について(回答)
Q.01 本体の外部制御端子はロジック信号でコントロールできますか?
外部制御端子(STARTとTIMER)は、内部で5Vにプルアップされています。
機械的なスイッチまたはトランジスタなどを使用したスイッチ回路(オープンコレクタ)によりON/OFFすることができます。
ソフトウェアについて(回答)
Q.01 専用ソフトウェアを使用するとどのようなことができますか?
製品単体では連続動作およびタイマー動作が可能ですが、PCと接続して専用ソフトウェアを用いると、それらに加えて温度プロファイル動作が可能になります。
また、センサー温度の時間変化をグラフで表示する温度トレース機能もサポートしています。
Q.02 専用ソフトウェアはどうすれば入手できますか?
専用ソフトウェア「Peltier_Driver」およびマニュアルはWEBから無償で
ダウンロードできます。
Q.03 1台のPCで複数のペルチェコントローラを制御できますか?
専用ソフトウェアで操作できるペルチェコントローラは1台だけです。
双方向で通信を行っていますので、RS-232信号分配器は使用できません。
拡張ボードなどでPCのRS-232ポートを増設し、それに対応したソフトウェアを開発すれば、1台のPCで複数のペルチェコントローラを制御することができます。
Q.04 自分でソフトウェアを作ることができますか?
温度制御に必要なコマンド仕様をご提供できます。
詳しくは下記までお問い合わせください。
合同会社クラッグ電子 http://kurag.o.oo7.jp/kurag-el/
トラブルシューティング(回答)
Q.01 アラーム表示が点滅していますが、原因がわかりません
本製品の本体単品または表示器と組み合わせた状態では、アラームが発生したときにアラーム表示LEDが点滅し制御動作を停止しますが、何のアラームが発生したのかわかりません。
アラームがどのような状況で発生したかにより、次のような原因が考えられます。
1) 電源をONするとすぐにアラーム表示が点滅する
温度センサーアラームの可能性があります。
温度センサーの接続を確認してください。
2) 電源ONして5秒ほど経ってからアラーム表示が点滅する
DCファン回転停止アラームの可能性があります。
ファンが回転しているかどうか確認してください。
* パルスセンサー付きファン以外のファンでは回転停止アラーム機能が使用
できません。
* 標準仕様では出荷時にDCファン回転停止アラーム機能はOFFになっています。
3) 制御動作をONするとアラーム表示が点滅する
電流アラームの可能性があります。
ペルチェ素子に流れる電流が、設定された基準値よりも大きい場合にアラームが
発生します。
電源電圧、ペルチェ素子の仕様、ペルチェ素子の接続を確認してください。
* 標準仕様では出荷時に基準値を6.5Aに設定しています。
4) 制御動作中に目標温度を変更するとアラーム表示が点滅する
電流アラームの可能性があります。
冷却中に加熱方向に目標温度を変更したとき、または加熱中に冷却方向に目標
温度を変更したときにペルチェ素子に大きな電流が流れ電流アラームが発生する
場合があります。
このような場合は、一旦制御動作をOFFしてしばらく待つか、ペルチェ駆動反転
保護機能をONにすると回避できる可能性があります。
なお、PCと接続して専用ソフトウェアを使用した場合は、ソフトウェアの画面にアラームの内容が表示されます。
Q.02 表示器のキー操作ができません
PCと接続してRS-232の通信をONしている状態では、表示器のキー操作ができない仕様になっています。
RS-232の通信を停止すれば操作が可能になります。
Q.03 温度が安定しません
制御パラメータ(PI制御の係数)が適切でない可能性があります。
1) 目標温度になかなか到達しない
係数が低すぎる可能性があります。
2) 目標温度を行き過ぎたり、温度が上下を繰り返す
係数が高すぎる可能性があります。
このような場合は制御パラメータの調整が必要ですが、当社ではお客様自身が制御パラメータを最適化するためのツール(ソフトウェアとテクニカルマニュアル)を用意しております。
ツールはこちらからダウンロードできます。
Q.04 温度表示がおかしい
本製品の電源をONすると、現在のセンサー温度が表示されますが、表示が実際の温度と異なる場合には次のような原因が考えられます。
・温度センサーが正しく接続されていない
・温度センサーの種類や特性が違う
・本体基板のボリウム(半固定抵抗)を回した
サポート・サービスについて(回答)
Q.01 ファームウェアのアップデートはできますか?
お客様自身がファームウェア(機器内蔵ソフトウェア)をアップデートすることはできません。
Q.02 修理の依頼はどのようにしますか?
下記までご連絡をお願いいたします。
その際、故障の内容をできるだけ詳しくお知らせください。
合同会社クラッグ電子 http://kurag.o.oo7.jp/kurag-el/
Q.03 出張修理はできますか?
本製品は出張修理は行っておりません。
お客様より宅配便などを利用して製品を送付していただき、当社サービスにて修理を行い、修理完了品を返送します。
なお、本体と表示器をセットでお使いの場合は、セットの状態で送付してください。
Q.04 修理は有償ですか?
次の場合は有償修理となります。
・保証期間外
・お客様の取り扱いが正しくなかったことによる故障
なお、修理費用は故障内容により異なりますので、現品到着後にメールにて修理費用の見積りを送付します。
また、故障の内容によっては、製品交換とさせていただく場合があります。
Q.05 装置に組み込まれた状態のまま修理依頼できますか?
お客様の装置に組み込まれた状態では修理をお受けすることができません。
必ず、基板を取り外してお送りください。
本製品に関するお問い合わせは、下記までお願いいたします。
合同会社クラッグ電子 http://kurag.o.oo7.jp/kurag-el/